惨事ストレスへのケア
*この本について*
この本は、筑波大学の松井豊先生が書かれた。
この本では、災害が起きたときに、災害救援者(消防士など)が経験する、惨事ストレス(CIS)への対処法等、初学者でもわかりやすいように作品が構成されている。
惨事ストレスに対しての理解が深まる良書である。
*惨事ストレスとは*
惨事ストレスとは、大規模災害や理不尽な犯罪事件など、衝撃的な事件や事故に遭遇したときに生じるストレス反応等を指す。
PTSD(心的外傷後ストレス障害)やASD(急性ストレス障害)などにも関係があると思われるため、心理学的なアプローチも必要となる。
惨事ストレスは、災害がいつ発生してもおかしくないように、いつ発生してもおかしくはない。
消防士等にとって処理できない衝撃はいつでも起こりうるため、消防士等のメンタルが弱いから起こるわけではない。
そのため、個人単位でも社会全体としても、より早急に対策が必要となる。
しかし、現状としては惨事ストレスへの理解があまり広まっていないように思える。
この言葉は、阪神淡路大震災を契機としてより社会に認知されるようになったともいわれている。
*この本を読んだ感想*
この書籍には惨事ストレスについて具体的な内容が書かれていて、惨事ストレスは他人事ではないと思った。
今後日本では首都直下地震や南海トラフ地震など、様々な地震が予想されている。
世界各国でも、地震だけでなく異常気象などが頻発していることを鑑みると、それらの惨禍がいつ自分の身に降りかかっても不思議ではない。
そのことから、惨事ストレスへの理解と対策はこの現代社会で必然といえる。
この本は専門職を目指す人には必読であると同時に、まだ知らない分野の情報を深めるための入門書には最適である。
そのため、私はこの本を強くお勧めする。
*私がこの本を読んだきっかけ*
私は「空からのラブレター」という小説を書いていて、その小説を書く契機となった出来事と一緒である。
それは、2016年の夏に起きたイタリア中部の地震によって命を落とした、ある少女についての報道を私が聞いたということである。
その報道についてはBBCニュースのこの記事を参照されるとありがたい。
(こちらで説明をするとあまりにも長くなってしまうからだ。)
*参考資料*
「惨事ストレス」とは(引用:大辞林第三版より)
大規模災害や悲惨な事件現場において活動した消防隊員や救急隊員などが、被災者や被害者と同様に心理的衝撃を受け、感情の麻痺まひや睡眠障害などのストレス反応を起こすこと。異常事態ストレス。 CIS 。
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おりーぶ。が作成致しました。